木造住宅で大きな負担のかかる梁の部分に使う部材の名前です。10cm×20cmのH形の鉄骨を芯材に、上下を10.5cm×4.5cmの集成材ではさんだものです。2階の重い家具やベットの力もしっかりと受け止め、住宅のゆがみをなくします。
芯材に鉄骨を使っているのが特徴です。鉄骨を用いることの最大の利点は経年的な劣化を起こさないことです。
木の梁ですと何年か経つとどうしても上からの重量によって『垂れ』てきます。 これにより、下の階のドアやふすまの開閉がしづらくなったり、2階の床が歩くたびに『ギーギー』鳴ったりしてしまいます。(これでは家が衰えていっているみたいで嫌ではないですか?)
それが、鉄骨を用いますと何年経っても垂れてきませんので、ドアもふすまも2階の床もいつまでも新築気分で生活することができるのです。
割り箸をご想像ください。まっすぐに立てて押したときはなかなか折れず、横にして力を加えたときは簡単に折れます。そのように木は生育してきた縦向きには強いですが、横向きにして使うと弱い部材なのです。その木造の弱い部分に鉄骨を用いたのがテクノストラクチャー工法なのです。(木は縦に押す力には非常に強く、鉛筆1本でヒト1人を支えることが出来るくらいなので、縦の力を支える柱は木で大丈夫なのです。)
木と鉄は相性が悪いように思われがちですが、伸びの差はほとんどありません。 鉄道のレールのように何十メートルもあれば伸び縮みも気になりますが、テクノストラクチャーの梁は最大幅で6mです。木と鉄の伸び縮みの差は約1.8mm(1mあたり約0.3mm)と非常に小さいもので、その程度伸縮しても問題ない設計としておりますのでご安心ください。
鉄は気温が低い冬には縮み、暑い夏には伸びるため、電車の線路には隙間があけられています。 テクノストラクチャーでも同じように、四季の気温変化に対応出来るようにわざと隙間をあけています。接合部は、金具とボルトが強度を支えているため、この隙間は構造的にはまったく関係ありませんのでご安心ください。
自然素材である木のやさしさを活かしながら、木の弱点である曲がりやすさや割れやすさなどを抑えるために、鉄を木で挟み込んだ梁を採用しています。 長年親しまれている木造住宅と同様に、大工さんが釘打ちで仕上げられるように上下を木で挟んでいます。
接着剤(ウレタン系接着剤※)とビス(20cm間隔)でとめる二重の接合になっております。 また、製造はパナソニック電工の工場生産により安定した品質を確保できますのでご安心ください。
※このウレタン系接着剤は、住宅の床材などの接着に用いられるもので、ホルムアルデヒド、木材防腐剤、防蟻剤などを含まない安全なものです。
確かにビルなどの工事現場で目にする鉄骨に比べると厚みが薄いと感じるかもしれませんが、鉄の強度は木の10倍以上あります。
例えば、長さ6mのテクノビームの上に体重150kgの力士が乗った場合、その中央部のたわみは約3mmほどですが、同じ断面サイズの木製の梁では約1cmたわみます。さらに、木製の梁は時間がたつほどこのたわみが進行していき、なんと2cm以上にもなってしまいます。これでは、引戸が開かなくなってしまいます。 鉄の場合はこの厚さでもたわみが全く進行しませんので将来も安心です。
テクノビームに使用しているH鋼は、約75年~90年の耐久性を誇ります。(住宅性能表示制度の劣化対策等級※で最高等級のランク3です。)テクノビームに使用しているH鋼はそのすぐれた防錆力によって、2階、3階建住宅はもちろん、屋外立体駐車場やスポーツスタジアムのひさしなどの厳しい環境下で使用されています。
※劣化対策等級1とは、建築基準法で定められている対策が行われていること、等級2とは50年~60年大規模な改修工事が必要ないこと、等級3とは75~90年大規模な改修工事が必要ないことを表します。
はい、錆びません。錆びた鉄塔をご覧になられた方はいらっしゃらないと思いますが、屋外の鉄塔と同様の最高ランクのメッキ処理(溶融亜鉛メッキ)が施されていますので、屋内で使用されるテクノビームに対して錆びの心配はありません。
確かに鉄は熱を伝えやすいので冷たい空気が触れる場所は結露が起こりやすいと言えます。 そこで、テクノストラクチャーでは対策として、断熱材をテクノビームの外周部分に入れて鉄骨が冷えないようにしております。 日本で一番寒暖の差が激しい北海道で、厳しい条件の下で実験を行いテクノビームが結露しないことを確認しております。 平成7年に発売して以来、結露による問題が発生したという報告は一件も出ておりませんのでご安心ください。
例えば、かね金具で両端をとめられているテクノビームは、上に象が乗っても大丈夫なほどの強さを持っています。 テクノストラクチャーの構造計算では、コンピューターによるシミュレーションで実際に建物に地震力・風圧力をかけてみて、接合部分に危険な力がかからないように住宅を設計しますので大丈夫です。